車買取業者はなぜ必要とされるか

車、特に平成に入ってからの国産車は、年数を経過してもそれほど致命的な故障が出るわけではない。消耗部品関係を点検時や車検時にきちんとメンテナンスしていけば、余裕で20年以上乗り続けることができる。ボディ自体は衝撃吸収の役割も果たすので脆いが、国産車の機関は優秀だ。ドイツ車のように電装系が明らかに弱いということもない。したがって車買取を個人ユーザーの側から見る限り、乗り続けて何の問題もない車を、飽きたとかなんとなくといった他愛ない理由で手離し、また新たな車を買うための資金とする行為を意味するとしか言えないのだ。自動車メーカーは自動車メーカーで、まさかお客さんに、まだ買い替える必要はありませんよ、などとは言えないし、ほんのちょっとしたマイナーチェンジを繰り返し購買意欲をそそる算段を続けている。
新車購入の際の下取りの実質は、査定額プラス値引きであり、いわゆる高取りというのは値引き額が大きいことを意味する。現実的に昨今はエコカーかハイブリッドしか売れないので、従来のレシプロエンジンの高級セダンなど取り扱うディーラーは非常に苦労している。メーカーにもよるが、たとえば本体価格400、500万の車なら、50万引きはあたりまえ、ゴネれば備品サービスや満タン納車や各種特典を駆使し、80万から100万引きほどの条件を引き出すことも夢ではない。とにかく、タマのないエコカーは売れ、それ以外の大排気量車なんかはさっぱり売れない、というのが新車販売の現状だ。さらに言えば、新車の場合はほとんどが乗りかえだ。携帯で言えば機種交換だ。当然のことながら1台売れば、1台の中古車が市場へと流れ込む。以前はトヨタ、日産、ミツビシなどのメーカーごとに中古車ネットワークを形成していたが、結局ディーラー自体が新車販売のみに力を入れるため過剰在庫となり、またメーカーが直接経営しているディーラーなどほとんどないため、効率を考え、自社で下取りした車でも、専門の車買取業者に卸す(転売する)ようになってきた。たとえ直接客に販売するより安くとも、在庫を抱えるリスクは避けられる。車買取業者にしても、一度ディーラーの担当者が査定した車なので外れはないし、まとめて仕入れることで経費削減にもなりメリットは大きい。ガリバー、ラビット等々は個人からももちろん買い取るが、主力の仕入れ先は中小のディーラーだ。中には、メーカーからの販売奨励金欲しさに、売り先が無いのに登録した新古車も含まれる。とにかく、新車が売れれば売れるほど中古車は出回り、それをさばくためには専門の車買取業者が欠かせない、それが現代日本の一つの構図になっているということをぜひふまえておきたい。